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メタプラネット：日本発、ビットコイン財務企業の衝撃
メタプラネット株式会社（東証：3350） は、東京上場の企業で、主に「ビットコイン財務事業」と「ホテル事業」の2つの柱を持っています 。ビットコイン財務部門は「ビットコインの収益性最大化と長期的な株主価値の創出」を掲げ、ホテル事業は「ビットコイン愛好家、ビジネスパーソン、教育者を集める」ための拠点運営を行っています 。また、ビットコイン・マガジン の日本国内ライセンスも保有し、Web3/NFTプロジェクトなどにも取り組んでいます 。
2024年初頭まで、メタプラネットは主にホテル運営を行う企業でしたが、業績は低迷気味でした。そこへ新CEOのサイモン・ゲロビッチ（投資銀行出身）が就任し、劇的に経営方針を転換――「日本版マイクロストラテジー」を標榜して、ビットコイン企業へと大転換を遂げます 。
ビットコインへの大胆ピボットと戦略
2024年春、メタプラネットは公式に**「ビットコイン財務戦略」**を開始。経営陣は、ビットコインを主要な準備資産とし、インフレや円安へのヘッジとする方針を打ち出しました 。2024年5月の決算発表では、初めてのビットコイン購入――117.7BTC（約9.3億円/約720万ドル）を報告 。
この方針転換は本気そのもの。経営陣は「2025年末までに1万BTC、2026年末までに2万1千BTC保有」をターゲットに掲げています 。ゲロビッチCEOは「ビットコインは戦略的中核資産」と強調し、「BTCイールド」なる独自指標でBTC成長率を測定し、投資家に開示しています 。例えば2025年第1四半期には「BTCイールド 95.6%」を達成（年初から95.6%BTCが増えたことを意味） 。全購入を完全開示し、透明性と攻めの姿勢を打ち出しています。
ビットコイン購入の軌跡
2024年からメタプラネットは継続的にビットコインを積み増し。
- 2024年5月：初回購入 117.7BTC（約9.3億円/約720万ドル）
- 2024年7～9月：毎月約20～30BTCずつ追加購入
- 2024年12月：累計1,762BTC到達
- 2025年第1四半期：3カ月で約5,034BTCを一気に追加し、累計6,796BTC（平均取得単価 約89,500ドル/BTC）
- 2025年5～6月：大型購入。2025年5月末には1,088BTC（約168.85億円/約1.17億ドル）を発表し、累計8,888BTC（約930億円/約9.3億ドル）に到達
2025年中盤時点で約8,888BTCを保有し、*「アジア最大の企業BTC保有者」*に。世界の上場企業でもトップ10入りを果たしました 。総取得額は数百億円～1,000億円規模。平均取得単価は8万～11万ドル/BTC前後（時期により変動）。
ビットコイン調達のファイナンス戦略
メタプラネットはクリエイティブな資金調達でBTC購入を進め、希薄化を抑制しています。2025年初頭には無利子社債を複数発行してBTC調達資金を確保 。例えば2025年3月に20億円無利子社債（償還9月）を発行 。他にも株式新株予約権やワラントを段階的に発行し、約350億円を調達 。加えて、キャッシュ担保のビットコインプットオプションを売却し、プレミアム収入を得ながら安値での追加BTC取得も狙っています 。
こうした「債券＋分割株式＋オプション」の戦略で数百億円規模の資金を好条件で調達し、他のBTC財務企業のプレイブックを日本流にアレンジして実行しています。
マイクロストラテジーとの比較
メタプラネットは米マイクロストラテジー（MSTR）としばしば比較され、「日本版マイクロストラテジー」「アジアのマイクロストラテジー」とも呼ばれます 。両社ともBTCをコア資産とし、株価もBTC連動傾向が強い。ただし手法は異なり、マイクロストラテジーは2020年から50万BTC以上を主に転換社債・株式発行で調達 。一方、メタプラネットは債券・分割株・オプションを駆使して地域事情に合わせた資本政策を展開。全購入を即時開示し、透明性を徹底しています。
市場・メディアの反応
*東証 メタプラネット（3350）株価チャート：2024年初～2025年にかけてビットコイン戦略と共に株価が15倍超に爆騰 *
メタプラネットのビットコイン戦略は投資家の熱狂を呼び、株価は15倍超に爆上げ 。主な購入発表ごとに株価は急騰し、2025年5月7日の555BTC購入発表翌日には株価が11.5%上昇 。東証での出来高も急増し、連日ストップ高となる場面も。
また、「日本一空売りされた株」となり、浮動株の25%以上が空売りされて話題に 。ネット上やクリプトメディアでも賛否両論。ビットコイン支持者からは「BTC統合が伝統企業に爆益をもたらす証明」と賞賛され、保守的な投資家からは「ボラティリティ依存でリスク大」と警戒されています 。
メタプラネットと企業BTC導入のインパクト
この戦略でメタプラネットは1年で小規模ホテル会社から時価総額数千億円規模の「ビットコイン財務企業」へ一変 。BTC価格が高水準を維持すれば爆益、逆に下落すれば減損リスクを抱える「ビットコイン純粋企業」へ。経営陣は「ホテル事業・パートナー連携を継続し、BTC一本足打法ではない」と説明しています。
日本市場でも「上場株でビットコイン間接保有できる新たな選択肢」として注目され、今後アジアで企業によるBTC財務導入が広がる可能性を示唆 。「ビットコイン企業のアジア標準モデル」を築きつつあり、そのパフォーマンス次第で他の大手企業の動きも加速するでしょう。
参考資料：メタプラネット社IR、国内外報道、仮想通貨系メディアなど
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